・・・・・・・は・・・・・・?



帰る?



何処にだよ。




つーか・・・・・




「何でよりによって栄口なんだよ・・・・・」



俺はしゃがみこんで深いため息をついた。

とりあえず落ち着け、落ち着け俺。
そう思いぐっと目を閉じ心を落ち着かせようとするも脳裏にはの真剣な目が、言葉が突き刺さるように思い出される。

・・・・俺が悪いのか?
いや、悪くない・・・・・・はず。
でもは怒ってた。
・・・確かに俺に全く非がないとは言えないけど。
の言うとおり、告白された。本気で。だからこそ俺はすっぱり断った。あいつもそれを納得した上での「友達」なんだ。
俺の気持ちが動かないことを悟ったんだと思った。あいつも俺もそれをふまえての友達。俺たちは友達なんだ。
でもは違うといった。自分にはわかるといわんばかりに。
何処で何を間違えた?
俺たちは・・・・・・・・何処ですれ違ったんだ?
頭が混乱する。
俺にはじゃなきゃだめなんだ。情けないぐらいにあいつを必要としててそばにいてほしくて

俺がそばにいてやりたい。




あああーーーーもうチクショウ!!!!


俺は頭をぼさぼさとかきむしる。
イライラする。
なんなんだ!!!!!






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




しばらくしてハッと気がついた。




今何時だ?あいつが出て行ってどれくらいたってる?
っつーかあいつ帰ってきたときなんていってた?


変な男に全裸見せられたとかなんとか・・・・・・・・・・言ってなかったか・・・・・・・・・?






俺の顎を一筋つぅーっといやな汗が伝う。
心臓が静かに脈を打った。










「・・・・・っ!!!」






おばさんの顔も見ずに「おじゃましました!」と大きな声で言い放って家を飛び出した。











ペダルを踏む足に力が入る。
携帯は予想通りつながらない。
悪いことばかりが頭を過ぎって俺から冷静さを奪ってゆく。
夜の暗さがいっそう不安をあおるようだ。
思い切り奥歯をかみ締める。







公園にもいない。





コンビニにもいない。






駅にもいない






いない・・・・・いない・・・・・!





「ったく・・・・何処だよ・・・・・・・・・・・」





そんな時、頼みの綱のからの着信に俺は思い切りブレーキをかける。






「もしもし!!」


『あーもしもし?』


「見つかった?」


『見つかったもなにも今ウチにいるよ。』


「・・・・そう、かぁ・・・・」



の言葉にホッと胸をなでおろすと電話ごしにため息が聞こえてきた。





『なんか・・・・あたしは悪くないー隆也が謝るまで許さないーみたいなこと言ってるけど・・・なんかあったの?』


「あー・・・・いや、なんていうか・・・・まぁ色々・・・・。」

『まぁいいけど・・・迎えに来てやってくれる?』

「おう。悪いな。」

『ん、大丈夫。』







俺はの家に向かって自転車を走らせる。



ペダルはさっきよりもずいぶん軽い。







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ヒロインが出てこないという悲劇。
ちょっと短いですかね?
短いですよね、すいません・・・・・。



ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!!!