真っ暗なあたしの部屋。



雨が今も窓をたたく。
でもその音以外はとてもしんとしていて

あたしも隆也も、その他の人間も全部全部消えてしまったみたい。


でも二人の体温はたしかにそこにあって、





あたしは現実をかみしめる。





「た、たかやぁ!!!」

「あ?」

「えっと、え、あ、あれ、服とかどーしたらいい?ぬ、脱ぐときってやっぱチャラッラチャラチャラチャラッあ〜んみたいな
やらしい方がそそる?っていうかそもそも自分で脱ぐもん!?ぬ、脱がせたい派!?っていうか服って脱がない方がいいの!?え、どうする!?どうしたらいい!!?」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「えぇ!?な、何!?」

「とりあえず落ち着け。」



ポンっと大きな手があたしの頭の上に乗る。
隆也の優しさがその掌からじんじんと伝わってきた。
あたしはそっと目を閉じる。





「・・・・・・・・・・・・・っ!!!!」





頭に乗っていた隆也の手がゆっくりと降りてくる。
はじめは頬、そして頬から唇をなぞる。
感じたことのない感覚と緊張に体に力が入った。





「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・」




指が唇を割る。



あたしはそれに逆らうことなく隆也の指を口に受け入れることしかできない。
そっと隆也の顔が近づいてきて



深く口づけられた。








優しくて
すごく気持ちよくて
なんだか体がふわふわする。

今まで何度かキスはしたことがあったのに
こんな風に感じたのは初めてで
あたしの胸はいっぱいだった。


あたしはもうただ隆也に身を任せるだけだ。










「・・・ん・・・・ふ・・・・あ・・・・」






口の中では隆也の舌とあたしの舌が絡み合って卑猥な音を立てる。
どんどん力が抜けてきた。
もう体を起こしていることすらしんどい。
そんなときに、そっと布団に倒された。
その時も背中にはちゃんと隆也の腕が回されていて。
嬉しいなぁ・・・・と純粋に思った。




「・・・はっあ・・・・ふ・・んん・・・」

「・・・ん・・・」


ゆっくりと唇が離されて、
それを追うように目を開けば
暗闇の中で目をとろんとさせた隆也と視線が絡む。



「・・・・っ!!!」

「・・・エロい顔。」

「隆也君には負けるわー。だって24時間だもんね。エロスのコンビニエンスストアーだもんね。」

「・・・・・・・・・へらねぇー口。」

「うるさい。」




「はいはい。」と軽く流して隆也はあたしの首に顔を埋める。
その瞬間に感じたちくっとした痛みと下腹部に感じるくすぐったさに顔がゆがんだ。



「いっ・・・や・・・たか・・・っ!!」

「・・・言葉になってねーよ・・・」



首から離れた隆也の顔は一度あたしに短いキスを落としてからすぐに離れる。
さっきまでゆるゆるお腹のあたりをなでていた手はいつの間にかあたしのシャツのボタンを外し始めていた。


「た、隆也!!」

「んだよ。待ったなしだろ?」


隆也は手を止めずに軽く舌打ちをする。



「え、いや、うん・・・そうなんだけどさ・・・その・・・・今更だけど・・・・」

「あ?」

「隆也って・・・は、はじめてだよね・・・・?」

「・・・・・・・・。」

「え、た、隆也?」

「テメェーはそれ今聞くかぁ!?」

「だって!!なんか慣れてる感じだし、は、はじめてじゃないのかなぁーって・・・・」

「・・・・はじめてにきまってんだろーが。」

「・・・・・・・・。」

「ホントに。マジ。」

「えー・・・・」




なんだか隆也は手慣れてるように感じて。

あれ、もしかしてあたしばっかりてんぱってる?







隆也は当り前のようにあたしの服をはぎとっていく。




当たり前のように下着もはぎとって




そして当り前のように愛撫をする。


そっと突起を口に含みもう片方の手で先端をはじいた。
味わったことのない感覚にあたしは悲鳴みたいな声を上げる。
それを楽しむかのように隆也が笑ったように思えた。




行為は休む間もなくエスカレートしていく。



隆也の手はそっと下の方へと滑りこみ
まだ誰にも触れられたことのないそこへとゆっくり侵入してくる。


違和感。



「ひゃうっ!!!」



自分でも聞いたことのない甲高い声に羞恥で顔を隠した。


「・・・いてぇー?」


心配そうに聞く隆也の声。
あたしは黙って首を横に振る。


「・・・・気持ち良い?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」



ほんの少しだけ目を開けて彼を見ると、

嬉しそうに笑っていた。









そのまま隆也の指はあたしの中でゆっくりと動き出す。

それに伴ってあたしの体も熱く火照っていった。
二人の乱れる息の音とシーツがこすれる音だけが静かな部屋に響く。







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・ん・・・・?」






そっと指が引き抜かれ、
隆也の体がそっとあたしの足を割って入ってくる。
覆いかぶさる影にあたしは顔を覆っていた腕を少しだけずらした。




「・・・・っし・・・いい?」

「・・・ん・・・」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・何?」

「いや、セックスする前はあんだけそそるとか色々言ってたくせにほんとお前って余裕ないのな。」

「なっ!!!そりゃそうだよ!!隆也みたいに慣れてないもん!初めてだし!!」

「俺だって初めてだっつってんだろーが!!!」

「へっ、どうかな?もうあたし以外に全国各地に彼女がいんじゃない・・・・・っっつ!!!!!!!!!」








あたしの皮肉が言い終わる前に下半身を襲う激しい痛み。

言葉もでなくて
息もできない。
あまりの痛みに眉をぎゅっとしかめる。
目からは涙がこぼれた。





それは指の太さとは比べ物にならない。
威圧感。
ドクンドクンと脈を打っていて熱い。










「・・・・・・・・俺だって全然余裕ねーんだよ・・・・・!」











いきなり入れるなんてひどい。

怒りたかったのに。


いっぱいいっぱいなのも
余裕ないのも


おんなじってわかったら


そんな言葉もどこかへ消えた。





「・・・・・・・・・・・っ・・・」

「・・・い・・・ったぁ・・・・・・」

「力、抜け・・・・」

「無理。鼻からスイカ出るーーーーー!!痛っい・・・・」

「馬鹿、そりゃ出産だっての。」

「いや、だ、って・・・い・・・・・」













そっとあたしの手をつかむ熱い大きな手。
顔を覆っていたのに無理やりはぎとられて


口づけられる。



しばらくして離された唇。
熱くて熱くて舌を溶かされてしまったかと思った。


掴まれた手は隆也の背中にまわされて









「・・・・・・・・・・辛かったら爪立てていいから。」

と、ささやかれた。





爪なんて立てないよ。
傷つけたら
痛いじゃん。





隆也の色気のある吐息まじりの声にあたしの脳みそは酔ってしまって





そのあとはただただ隆也にしがみつくことしかできないでいた。





ああどうしよう、

死ぬほど恥ずかしい。
自分が自分じゃなくなるみたい。

変な気分。


それでもあたしは





二度とない夜の幸せをかみしめる。










夜が明けるまでずっと夢をみているみたいだった。


















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ぬっる!!ぬるいよー痛いよー!!
っていうかヒロイン頭大丈夫か(こら、お前が言うなや)
ホントこんなんで申し訳ないですよ。
ハートが伝わってれば嬉しいな。

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!