うへへへへぁあああーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

あたすぃーのばーかぁーーーん!!!!!!!!



チキンでキチンでチキンのくせに


何をいっちょ前にデートになんて誘ったんですかこのヤロー。
馬鹿でしょ?
今それを完全に理解したよね。うん。今更ながら身をもって理解したよね、うん。


お願い、あたしを今日の放課後だけ、キャメロンディアスにして!!!!!!



よし、こうなったら・・・・・・・・・



一か八かだ・・・・・・・・・







「ラミパスラミパルララララーーーーン!!!!!!!!!!!!!キャメロンディアスになぁれぇーーー!!!!」

「なんねぇーよっ!!!」




スパーンと気持ちのいいツッコミをあたしの脳天にかましてくれたのは
あたしを今こうやってクルクルパーにしている原因そのものともいえる男だった。




「阿部ぇええーーー!!!!!」

「いてぇーって言うか俺の名前を言うかどっちかにしろ。似てるけどな。似てるけど。」


よくわかりましたね、と声にならない声で頭をさすりながら言う。




「つか、ラミパスはあれ元に戻る呪文だから。変身する呪文じゃねーから。あと間違ってっから。最後の方微妙に間違ってっから。」

「・・・・。」

「もはやなにもかも間違ってる。」

「・・・・・阿部・・・ツッコミがどんどん上達しているよ・・・・」

「お前のおかげでな!いい迷惑だっつーの!!!」


もう一度叩かれる。




ミーティングも終わり、いつの間にかその空間にはあたしと阿部しかいなくなっていた。
まぁおそらく原因はあたしがわき目もふらずに隅でうずくまってコンパクトミラーに必至に話しかけていたせいと思われる。
っていうかそれだよね。





「・・・・・ったく・・・・・ほんといい迷惑。」

「・・・・ごめんなさい・・・・。」

「なんか調子狂う・・・・はぁ・・・で?」

「で?」

「・・・・行くんじゃねーのかよ!遊びに!!」




「いっだぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




三橋君。君の気持ちよくわかります。
よく目ん玉飛び出さないね。
噂の梅干しにあたしは涙目になりながらうなずいた。






「おら、行くぞ。」

「ううううっす!!!!」



歩き出した阿部の横に慌てて鞄をしょいなおしてついて行く。



「で、今日どこ行くの?」

「え、き、きめてない・・・・・」

「はぁ!!!?」

「ごごごごごごめんーーー!!!だ、だって・・・・・」

「だって?」



いい訳ぐらいは聞いてやるよと言わんばかりに阿部が拳を固める。






「・・・・・・・・・・た、楽しみで、でもどうしていいのかわかんなくて・・・・


ね、寝ないでずっとずっと考えたんだけど・・・・・・・・・きまんなかった・・・・・・・・・・・・。」







阿部が少し驚いたようにしてこっちをみたあと、


口元を軽く覆って俯く。








「・・・・・ごめん。今日はやっぱ・・・うん。帰っていいよ・・・・つかちゃんと決めてから誘えばよかったよね・・・すまん・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった。」





ですよねー・・・・・・。



あたしの馬鹿さにきっと呆れてしまったんだ。
阿部は何も言わない。


あたしの心には申し訳なさと、悲しさと、むなしさとやるせなさが渦巻く。


あたしがもっとスーパーガールだったら・・・・・・・・・・・


せめてもっと男性経験豊富だったら・・・・・・・





わかんないよ。



阿部が何が好きなのかも

何をしたら喜ぶのかも


なんにも知らないあたしには


一晩じゃ足りなかった。





。」

「えっ、」

「・・・俺ちょっとグローブの手入れするワックス切らしてるからとりあえずムラスポ行きたいんだけど・・・」

「・・・・・え、・・・・・うん」

「・・・・・・・・・・・・だぁから!!!!」






ガシっとあたしの手をつかんで歩き出す阿部。






「付き合えって言ってんだろーがよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
















その表情は見えなかったけど





「・・・・・・・・・・うん!!!!!!!!!!いく!!!!!!!!!!!」









きっと阿部のことだから
赤いに違いない。
自分のちょっとナルシスみたいな行動に照れているに違いない。


そんな阿部を知れて嬉しいのが一


そんな阿部と今一緒にいれて嬉しいのが一


あとの八は



こんなあたしのためにこうやって気を使ってくれる優しい阿部をああ大好き!!って思えて幸せ

っていう気持ちがあたしの心を占めていた。








阿部の鞄の少しあいた所からムラスポの袋が見えていた。




あたしは知っていたりする。


阿部が

一昨日の雨の日、部活がいつもより少し早く切り上げになったからムラスポによって、ワックスを買ったのを。



みんなにも貸してあげてたよね。




ちゃんと見てたよ。




だから




「あべ!!!」




「あー?」





「サンキュ!!!!!!!!!」





「・・・あー・・・・おぅ・・・・・。」






めっちゃ嬉しい。











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あれ、阿部何?ツンデレ?何これだれ?
もうダメ。前ん時興味なさそうだったじゃん!!
・・・・ほら、阿部は自分の気持にも気付かないおバカさんなんだよ!きっと。
っていうかまぁ・・・ほら、あの・・・・すいまっせーーーーーん!!!!(土下座



ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!