「わきゃあぁああああああーーーーーーー!!!!!!」





「えっ、うわ、ちょ!?ちょえぇええええーーーーーーーーー!!!!?」




思い切り文貴の部屋のドアを蹴り開けて、発狂しながら登場すれば
もちろんの如く驚きに顔をゆがませた彼がベッドの上で読んでいたであろう雑誌をこちらにほおり投げてくる。


それをかろやかにかわし、あたしは文貴の胸倉をつかんだ。


「ちょっとちょっとちょっとちょっと!!!やばいよ!阿部やばいきたこれやばい阿部!!!」

「は!?えぇ!?ちょ・・・何落ち着いて!!落ち着いて!!!」

「もーー!やばいよ!!!どうしよう!夢かも!夢かも!!ウルァアアアアアアアッ!!!!!!」

「あべしっ!!!!」

「あ、痛い!手痛い!やっぱり夢じゃない!!」

「絶対わざとだ!絶対わざとだよ!!俺殴んなくても確認できたでしょ!?痛いーー・・・・」




まあ文貴の言うとおり、興奮はしているものの実はそこまで取り乱してはいない。
ほら、なんていうか・・・・お約束みたいな?


涙目になりながらあたしを睨んでいる文貴がさすがにかわいそうに思えてきた。
小さく「ごめんね?」というと短い溜息をついて「許す」と口を尖らせて言う。


「で?どうしたの?」


頬をさすりながらの文貴の問いかけに、あたしはだらしない口元のまま今日のことを話し出す。








あのあとのこと












「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



沈黙をかき消すように横を車が通り過ぎる。
エンジン音は遠くなり近くなり、そしてまた遠くなる。
次々車が来るためそれは繰り返された。



二人で肩を並べて歩くのは初めて。
学校でもこうやって歩いたことなんてなくて、
あたしが追いかけてばかりで阿部が逃げるばかり。
・・・あれ、何この関係。
自分で思い返してもだいぶ意味がわからないんですけど。




「おい、」

「うえ?」

「・・・いつもみたいになんかしゃべれよ。緊張すんだろ。」

「えぇ!?阿部緊張してんの!?わふぅーーー!!!」

「ああ、一瞬にしてとけたわ。」

「えぇえーーー!!!?あたしスゲェーー!!!」

「そっちに対するえぇーかよ!!!」




あ、笑ってる。

不意にみせたその顔に胸が高鳴った。
ああ、やっぱあたしだいぶ阿部のこと好きだわ。
改めて実感した。






「・・・・こっち。」

「へっ?」




急に阿部があたしの腕を軽く自分の方に引き寄せる。
引き寄せたかと思えばすっと体を斜めにしてあたしと場所を入れ替えた。

最初しばらくは意味がわからなかったけど、しばらくして前から来る車を見てはっとする。




「車道側・・・・・・」


「あ?」


「・・・・・・・・・・あ、うあ・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」





その状況に耐えかねて、あたしは俯いた。
いや、だってちょっと!!!ねぇ!!どうなの!!?これ!!!
うわ、あ、ああああ・・・・・・・・・



あたしが危なくないように車道側を歩いてくれてるんだ・・・・・・・・・!!



「ちょっと阿部ぇえええええーーーーーー!!!」

「んだよ!でけぇー声出すな!!」

「こんなん誰にでもやってんのかコラ!!紳士かコラ!!」

「紳士だコラ。」

「あ、誰にでもやってるんですね・・・・」

「紳士ですから。」



そのへん全然紳士じゃありませんね、コラ。
そこは「お前だけだよ」とか言えよ。
こっそり思いつつもなんだかその受け答えが阿部らしくてまた笑えた。






















「で?」


「え?」



「いや、だからそれで?」



文貴がベッドの上で腕を組んで眉毛を派の字にする。
あたしはきょとんとそれを見ていた。



「・・・・・いや、別に。それだけ・・・だけど・・・・・」

「・・・え!!!!!?」

「いや、別にその後普通にムラスポ行って・・・」

「行って?」

「帰宅。」

「えぇえええーーーーーーーーー!?」

「えぇええーーーーーーーー!!!?むしろえええええぇぇぇえええーーーー!!!!!?」




文貴の驚く顔にあたしも驚きながら言葉を返すと、今日一番長い溜息が彼の口から解き放たれた。



「あんな嬉しそうに入ってきたから・・・てっきりその後お茶して脈あり反応出たとか、
付き合うことになったとか、キスしたとかそーゆーのないのかよ!!!」

「あ、あるわけないじゃん!!!馬鹿!!んなことになってたらもうあたし文貴の部屋に火つけてたよ!!」

「良かったぁあああーーー!!!いい感じになってなくて良かったぁあーーーーー!!!!!!」




天に祈るようにして喜ぶ文貴に思い切りけりをかましてコブラツイストをかけて、
あたしはようやく奴の部屋をあとにする。



なんだし!!
人がせっかく幸せ気分に浸ってたって言うのに!!!!!



でもふと気がつく。
はたから見れば「そんなこと」が、今のあたしにとっては「とてつもないこと」なんだ。
それってあたしはだいぶ本気で阿部をいいなって思ってるってことで、
別に今まで嘘で好きとか言ってたわけじゃないけど、少しふざけ半分だったというのも嘘じゃなくて。
改めて好きなのかもしれないと思ったら

急に胸が締め付けられるように苦しくなって、かぁっと頬が熱くなった




ああ


あたしコレやばいな




本気で阿部を好きになる。




どうしようと不安になる。


この気持にどこか戸惑ってしまうのはあたしが子供ってことなんだろうか。





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あれ、もうダメ。意味分かんない。
時間が開くとこうなってしまう私です。
久し振りの小説ってことを理由に見逃してやってください・・・・・・・・・!
まぁ毎回こんな感じですけど!!!!!!
ほんとすいまっせーん


ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!!!!!!