隆也が


あたしを


好き?





いやいやいやいやいやいやいやいや・・・・・・


だって隆也は幼馴染じゃん。


そんなん違うって。




それはさ、もうなんていうか

ジーコがサンバのリズムに合わせて踊りだすぐらい違うでしょ?ジーコは本来サッカーコーチでしょ?サンバは踊らないでしょ?専門じゃないでしょ?ねぇ?



でも・・・・・もし、もし万が一・・・あたしの事を好きで・・・・



あたしは・・・・・?



「おい!

「なんだよジーコ。」

「ジーコじゃねぇー!!!お前・・・・なんも聞いてなかったろ・・・・」

「え?なんか話しかけてた?」

「・・・・・ッチ。」

「!!!!!」






帰路の途中。

あたしが歩きだから、隆也はあたしにあわせて自転車を押して歩いていた。(「後ろ乗れ。」という隆也に対して「2トンあるから無理。お願い、一緒に歩こう?」と何度も何度もお願いして今に至る。)


横を歩いている隆也に頭を強めに叩かれてやっと我に返った気がする。


いったいあの練習の後からどれくらいたっているんだろう?その記憶すらも危ういぐらい
ずっとずっとあのことだけを考えていた。



「ごめんごめん。何々?」

「・・・・・お前、もう学校くんな。」

隆也は冷たく言った。



「あ?なんでさ。」

「色々めんどくせぇーんだよ、こっちは。」



・・・・・今回一番めんどくさかったのはあたしなんですけど?

だいたい好きできたわけじゃないし!!!隆也が鍵忘れるから悪いんじゃん。
なんであたしが怒られるのさ!!ま、三橋君かわいかったからいいけど。



「わかった。学校には行かないよ。」

「・・・には?」


からからと自転車の車輪の音がとまる。

隆也の足も止まる。

あたしの足は止まらない。




「うん。試合は見においでって言われたんだぁーさっき。」

「誰に!?」

「水谷君に!メールで。」

「おい・・・・お前・・・なんで水谷とメールしてんだよ・・・・」

「水谷君が教えてーって・・・・」

「んの馬鹿・・・・他は・・・・まさかなぁ・・・?」



隆也の顔がどんどん険しくなっていく。
もう、車輪の音は隆也のダンダンという荒々しい足音にかき消されてしまった。


「・・・え、まぁ・・・あとは・・・・栄口、君とぉー」

「と?」

「・・・は、花井君と千代ちゃん・・・・」

「篠岡はいいとして・・・・なんで花井と栄口までアドレス交換してんだよ・・・・・」

「・・・・・だめなの?」

「・・・・・・別に。」


あたしを抜いて、隆也は少し早歩きであたしの先を歩く。

「何怒ってんのさ、隆也君?」

「うるせー。とりあえず試合もくんなよ。」

「・・・・・・はいはい。」


なんで、と聞いてみようかと思ったけど。

あたしはそこでは聞かなかった。

心のどこかで隆也は「ヤキモチ」をやいてるんじゃないかなとひそかに思っていたから。



だって隆也は・・・・

あたしの事・・・・・・・・・


「好きなんでしょ?」

「は?」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やべ。



「・・・・・・・・・・・女子アナ。」

「・・・・なんで急にんな事ふるんだよ、お前は!!!」

「・・・いや、なんとなくだよ。あたしは別に普通だよ!かわいいとは思うけどみんな金以外は好きじゃないんだよあいつら!!だってメジャーリーガー以外とは結婚しないじゃん!!」



隆也は「うるせーな!急にどうしたんだよ」と笑いながらあたしの頭をはたいた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・だ、ダメだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


あたしが変に意識しちゃって





不自然な感じになってしまう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





栄口君のばかぁーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!






?」

「あぁ!?」

「・・・・・・・どこまでいくんだよ。」

「へ?」

あたしは無意識のうちに隆也の家の前を通り過ぎていた。



「・・・・・・・。」

「あ、あは・・・・ばっんごはん〜ばっんごはん〜!!!」

「・・・・気持ち悪りぃー・・・・。」

「・・・・・・・・。」


誰のせいだと思ってんだコラ。





久しぶりに入った隆也の家はきれいに掃除されていて、リビングにはあたしと隆也の食事がちゃんとサランラップをかけられて準備してあった。

「ハンバーグ・・・!!!早く手洗い行こう!うへへー!!!」

「俺先な。お前は俺のハンバーグとスープあっためとけよ。」

隆也はそういうと、シャツのボタンを外しながら洗面所へと消えていった。



「・・・・・・っち。はいはいはいはいはぁーーーーい。」




まぁ・・・・・あたしはこの家の住人じゃないからしょうがないんだけどさ、

やっぱり俺様なんだよね、隆也って。











そのあと二人で他愛もない会話をして、(あたしの一方的な三橋君のかわいさについての語り)


テレビを見ながら食休みをして


食器を片付けますかというとき。






「うっわぁ!!!!!!」

お皿を重ねて無理やり全部一度に持っていこうとしたせいなのか、はたまたあたしがどじなだけなのか、


あたしは足を滑らせて思い切り後ろにのけぞってしまった。



やばいよ。

せ、せめてお皿だけは無事であってくれぇええええーーーーー!!!!


そう思ってお皿を掴む手に力を入れた。






カシャーーーーン!!!!


「うわぁぁああああああ・・・あ、れ?」


派手にお皿が割れた音はしたものの、足やら腰やらおしりやらは全然痛くない。

むしろ・・・やわらかい?





「・・・っぶねーなぁ・・・・。」



おそるおそる後ろに目をやると、隆也があたしを支えながら下敷きになっていた。


「わぁあ!!ご、ごめ・・・隆也!!大丈夫!?怪我してない!?大丈夫!?ごめんね!ごめん!ホントごめん!!ごめん!!!」

「あ、だいじょう・・・・・・」



隆也の口がとまった。


もしかしたらどこか痛いのかもしれない。どうしよう、あたしのせいだ・・・・どうしよう。


自分から一気に血の気が引くのがわかった。


「お前!!!」

「ひぃ!ご、ごめんね!ごめんね!ホントにごめん!!」

「怪我してんじゃねーか!!!!」

「・・・・・へ?」



あたしが・・・・?


なんかそういえば手が・・・痛いような・・・

痛くないような・・・そんな感じで何気なく、隆也の視線の先の手に目をやる。

あたしの手の平からはどくどくと血が流れていた。




「・・・・・・・・・・あ、良かった・・・・。」


あたしが怪我しただけね。うん、


「馬鹿!!すぐ洗え!!!」

隆也はあたしを後ろから抱えたまま腕を引っ張って水道にもっていく。

シンクのキッチンがキラキラ光ってあたしの顔をゆがめてうつした。





「ちょっ!いだだだだだだだだだーーーーー!!!馬鹿!痛い!死ぬ!!」

「馬鹿はお前だ!!手にガラス入ってたらどーすんだ!じっとしてろ!!!」


そういって隆也はあたしを抱きしめる手に力を入れてあたしを動けなくする。








・・・・あれ?つーか・・・あたし・・・・・



今、隆也に抱きしめられてる・・・・・・・・?









うわぁああああああーーーーーーー!!!!!

自分の体温が一気に上昇して
脳が爆発するんじゃないかと思うぐらいに頭がくらくらする。


熱い。

顔も、掴まれてる手首も、手が回されている腰も、胸のあたりも、

全部、あつい。



「・・・・・?」

「えっ!!?」

「・・・お前・・・・・。」

隆也が不思議そうにあたしを見る。

くるりと向き合う形に移動させられて、隆也の大きな手があたしの額に触れた。


ドキ




「な、何!!?」


あたしはビックリして3メートルほど後ろに下がる。
隆也はぽかんと口を開けたまましばらくあたしを見ていた。



あたしの方がびっくりだよ!!!


だって、急に・・・おで・・・・・・・


あ、ららら、ら?


今まではおんなじ布団で密着してねたってなんともなかったはずなのに


なんであたしは意識してんだ!!!



自分でも訳がわからない。

どうしたんだ!?

あたし!!!!



・・・・あたしが隆也を・・・・・・・


意識してるって事になっちゃうよ!!!?

それはジーコがジーコじゃなくなるって事で、えっとえっとえっと

頭がフリーズする。








、お前早く寝ろ。」

「え、・・・・えぇ!?はぁあああ!?何言ってんだお前は!破廉恥!!!」

「はぁ?意味わかんねー。」

「ば、意味わかんないのは隆也でしょ!?あ、あたしの体が目的ってわけか!?あ?あんたはいつからそんな子に・・・・」

「ちげーよ!オメェーと一緒にすんな!!!」

「あたしは変態か!!!だいたいねーあたしをいくら好きだからって・・・・そんな・・・スト、レー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「は・・・?」







あれ、なんか・・・・体変・・・・

上手くろれつが回らないし頭くらくらする・・・・・なんとなく体のしんが熱い。



視界が暗くなる。







?おい!・・・・いわんこっちゃねー・・・!!!!!!」








隆也があたしの名前を呼ぶ声がどんどん遠くなって、





あたしはその場で意識を失った。















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第四話目にしてわけわからない展開です。はい。誰かたすけてください。誰か助けてください。
つ、次では、ちゃんと話も展開して、うん、えっと、ちゃんとしますから、しますからーーー!!!!!
なんか無駄に長い感じになっちゃいました。もう、だ、だめだ・・・・(涙)

ホントすいません、ここまでよんで下さって本当にありがとうございました。