俺は嘘つきだ。



「隆也?どこ行くの、こんな雨の中ぁ・・・」

「別に、ちょっと用事。」


今でも鮮明に覚えてる。



だってあの日は特別な日だから。





「・・・隆也」

なんでわかったの?みてぇーな顔して。




バーカ。


お前の事ならなんでもわかんだよ。



部屋に電気がついてなくて、
お前の好きなアニメが始まってんのにいつもうるさく感じる声がもれてこない。



公園に行って見れば

雨なんかよりも大粒の涙ボロボロながしてて。



意地はって帰らないとかいうくせして

俺が手を引きゃすぐ笑って。


俺ん家来て俺のハンバーグまで食いやがった。


布団をベットの横に並べてひけば



俺が風呂に入ってる間に勝手に俺のベットで寝てるし。




起こそうとしたとき、




「たか・・・・や・・・・ありがとぉ・・・」







なんて寝言をいった。











そう、この日は



お前の大事なものを奪った日なんだ。







寝てる






キスをした。





ファーストキスを勝手にもらった。








俺ってませてる・・・・

自分でも思うけど・・・・・・・。
そんな小さい時から



俺はが好きだったんだ。
























「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・た、隆也くぅーん・・・・」

「・・・は?」

「手、痛い・・・・」

俺は無意識のうちにの手首を強く握っていた。
力は弱めるも離しはしない。



「なぁ、どーゆーことなんだよ。」


俺がそういうとはばつの悪そうな顔をして
口をヘの字にする。




「・・・・。」

「黙ってちゃわかんねーだろ。」

「・・・・冗談だよ、じょ、冗談!ホラ!かわゆい幼馴染じゃんか?ね?」

「ふーん、冗談ね・・・。」

「そうそう!冗談冗談!いつもの事じゃん!!ね?」




めちゃくちゃ目泳いでんじゃねーか。
嘘下手すぎ。




どーゆー経由でそんな事を言い出したのかはわからないけど
多分かんずいたわけではないだろう。

この鈍感女にそんな能力が備わっているわけがない。

つーと・・・それはきっと今日の出来事・・・。


「野球部の誰かになんか言われたのか。」

「ぇええ!?べ、べつにぃ!!」

「・・・・水谷か?」

「違う、よ?」

「・・・・・花井か?」

「ち、ちが、う・・・」

「・・・・栄口か?」

「ちちちちちちちちちちちちーーーー!!違うよ!違う違う違うちがうぅううーーー!!!!断じて違います!!」

「・・・栄口か。」

「!!!!!!!!!!」





あいつ・・・・・。

まぁそれは明日話せばいいわけだな。


今はコイツが問題だ・・・。





「とにかくなんでもないから!!あ、あたしもう大丈夫だし!今日はありがとね!か、かえるよ!!」






本当に今更なにを期待してたんだ俺は。



コイツが俺を幼馴染としてしかみてないなんて

はなからわかってたことなのに。




こうやってコイツはなかったことにしようとして、今までどおり仲良くやっていこうとしてる。




それが無性にムカついて、
イライラして、
それ以上に
せつなかった。



もう、このまま幼馴染で
コイツが俺の知らない誰かと付き合って
俺の知らない誰かと結婚して
「今までいろいろありがとう!隆也!幸せになるね!」なんて言った日にゃ、
気が狂うどころじゃない。



そう思ったら、
俺はをベッドに押し倒して、むさぼるようにキスをしていた。





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あれ?この連載の方向性が・・・ドンドン怪しくなってきたぞぅい!!
でも、絶対裏にはしないのでご安心を・・・!とりあえずね、一波乱起こりそうな予感です!

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!!