テレビもつまらない、
本を読む気もおきない、
ポカリも心なしか上手くない、
何をしても実に入らない。
ああ、俺ホントによかったのか?
とは、きっともう今までどおりにはなれない。
そんなことはわかりきっていたことだ。
なのに、
なのになんで
「んで、こんなイライラすんだよ・・・・!」
脱いだシャツを思い切り床にたたきつけた。
ーバァアアアーーーン!!!!
床にボタンがあたったのか、あまりにバカデカイ音がなりすぎだろうと思ったら
ドアには肩で息をしている幼馴染の姿があった。
眉間にシワを寄せて、こぶしを握り締めている。
「・・・・・何してんだ・・・お前・・・。」
俺が驚きを隠せないでいると、
は思い切り飛び掛ってきた。
「んの変態ヤロォオオオオーーー!!!!」
「はぁ!?ちょ・・・おい!って!!おいやめ・・・」
人の部屋に勝手に飛び込んできて(しかも着替え中に)殴りかかって変態野郎って、お前どっちが変態野郎だよ!
とりあえずはの両手を掴み動きを止める。
やっぱり女の腕で、コレが本気?と感じるぐらいの力だ。
あっさり形勢逆転。
俺が覆いかぶさる形になってもの表情は変わらず怒ったままだった。
「ちょ・・・はーなーしーてよぉおおーーー!!!バカ隆也!バカキャッチャー!!西浦のキャッチャーは明日からあたしなんだからぁーー!!!」
「はぁ?何わけわかんねー事いってんだぁ?つーかお前何しに来たんだよ!!?」
あんなことがあったから、もうここにくることはないと思っていた俺は正直驚いてる。
は諦めたのか大人しくなった。
「・・・なんで、なんでもう他の女の子と付き合ってんのさ・・・あたしに、あたしの事昔から好きとか言ったくせして・・・。」
「はぁー?」
「水谷君が街で女の子と歩いてるの見たって言ってたの!それで、彼女っぽかったぁーって・・・」
・・・・街?
女と・・・
そーいやクラスの女子に買い物付き合わされたっけ。断る理由も別になかったし・・・そのまま少しお茶して帰ったっけ・・・。
「・・・・で?」
「は?」
「・・・別にお前には関係ねーだろ。彼女だろうとなんだろうと。」
彼女じゃねーけど。
わざわざ弁解する意味もない。
どーせコイツは俺の事なんて幼馴染としか思ってないんだし。
「か、関係ないよ!!どーせ関係ないけど・・・・・あたしが嫌なの!」
「はぁー?」
「なんか隆也に彼女がいるって聞いたら・・・なんかこう・・・いてもたってもいられなくなったっつーか・・・わかんないけど・・・わかんないけどなんかムカつくんだよ!バーカ!!」
一瞬頭がフリーズする。
だって、こいつ・・・俺にあんなことされといて・・・
何言い出すかと思えば・・・
「・・・・んだよ、それ・・・妬いてんの?」
「はぁー!?んなわけないでしょーー!!あたしはただ・・・えー・・・と・・・うーんと・・・・もーわかんないよぉおお!!バカ!!!」
はぶんぶんと頭を振って顔をしかめた。
「とりあえず明日から西浦のキャッチャーはあたしなんだからね!さっさとあたしの上をどけ!このたらし野郎!」
俺を押し切ってどたばたと俺の部屋を出て行く。
鳩が鉄砲豆を食らったような顔で俺はの後姿を見送った。
・・・・・なんだったんだ・・・・?
俺が・・・・悪いのか?
つーかなんであいつあんなおこんだよ・・・・
よくわかんねーけど・・・・
「・・・期待していいって事か・・・?」
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第九話目ということで・・・・ちらほら阿部君視点を入れてみてる今日この頃です・・・!
なんというか・・・ここはヒロインの心よりもどちらかといえば阿部君目線のがいいかなぁーと思いまして・・・。
あーこれどうなっちゃうんですかね?ヒロインちゃんの気持ちはいかに!?って言うところですよね(笑)
とにもかくにもここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!