俺の彼女は


「お前さ、」




「うん。」



俺が言うのもなんだけど





「サンタの格好するってよ・・・・・・・・・・・・・・」







「うん、」
























「本気のヤツか。」










だいぶアホだったりする。
















せっかくのクリスマスイブ。
俺達の関係を知った両親が、
余計な気を利かせてくれたおかげで二人っきりで過ごせることになって



「え!?マジ!!じゃああたし隆也が喜ぶようにコスプレしてくるぜ!!」

「は?コスプレ?」

「うん!!」

「・・・なんの。」



「そんなのサンタに決まってんじゃんかよ!!」



「・・・・・・・・・マジでか。」



「お前、そんなクリスマスイブに猪のコスプレしてくるわけないだろーが!」

「いや、なんで猪?来年の干支でもないし!!」

「まぁいいじゃん!サンタさんがプレゼントを届けに行くから部屋のベッドで寝て待っててね☆」



なんていって、
嬉しそうに笑われたら。
男なら誰だって期待するだろーが!!!

彼氏だったらさ、
彼女が自分のためになにかしてくれるって言ってくれるだけで嬉しいもんなわけで
しかもが珍しく自分を全面的にプッシュしてくるもんだから
俺的にもなんかスゲー楽しみにしてたのに。



当日俺の部屋に忍び込んできたのは











真白いつけひげをつけて


腹周りになんかごわごわ入れ込んだ





サンタさんでした。









「テメェーよ!!俺の淡い期待と喜びとクリスマスイブを返せ。」

「ぇえーーー!!!なんでぇえーーー!!!!」


いや、こっちがびっくりなんですけど。


「お前さ、女がするサンタって言ったら普通スカートじゃね?ミニスカとは言わない。いわねーけど!!」

「はぁ!?サンタがミニスカはくわきゃねーだろ!!凍え死ぬわ!!!」



ごもっとも。





「・・・・・しかもよーベッドで待っててなんつーから俺はてっきり・・・・・・・・」

「ちょ!おいコラァ!!なんで君の頭にはそう下々しいネタしか思いつかないかな!!!んなわけあるか!!」

「・・・健全な男子特融の病だコラ。」

「知るかボケ。」





期待した俺が馬鹿だった。


は暑苦しそうにひげをとって腹周りに詰めていた新聞紙を取り上着を脱ぐ。
下は寝間着のスウェットで俺をより一層落ち込ませた。



「・・・・なんでかな・・・・」




「え、何が。」


はどすんと胡坐をかいて俺を見る。


「んでもう寝間着なんだよ、テメェーはよぉ!!!」

「だってもう家にはおばさんが用意してくれたケーキもチキンもあるし・・・行くとしてもレンタルビデオ屋ぐらいじゃね?」


「・・・・・まぁ・・・・確かに。」



「隆也イルミネーションとかみたいなら、明日もきっとまだクリスマスだから見れるよ。」




「・・・今日見ることに意味があるんじゃねーの?」



ここで負けたら男がすたる、と言わんばかりに俺がぐっとくい気味に言うと、
はきょとんと俺を見た。




おお!?これは効いたか!?効果があったのか!?












「いや、あたしあんま興味ないかな。寒いし。」












ですよねー!!!!!!!!!






「・・・あーもー・・・なんか・・・・疲れた・・・・」


力が抜けて俺はふにゃりとベッドに座った。
なんかクリスマスイブに淡い期待を抱いていた自分が恥ずかしい。
こいつのせいで余計にすごく恥ずかしことのように思える。
俺って女々しいのか?
変なのか?
キモイ?
いや、違う違う。
俺は普通だ。

違うのは


こいつだ。




そうに違いない・・・!












「阿部隆也君!」

「あ?」


何でフルネーム?
とかもうそんなことはスルーで俺は力なく返事をする。
俯いたままの頭の上にボスっと重たい何かが乗せられた。








「メリークリスマーッス」



「・・・・・・。」




サンタからのプレゼントだよ。」


「・・・・・・どーも。」



チクショウ。
こんなことで簡単に機嫌がよくなってしまう単純な自分が情けない。
少しにやついた口元を片手で覆ってからその包みを受けとる。


顔をあげての顔を見てみると



真っ赤に染まっていて俺から視線を外していた。







「・・・・サンタ、あけていい?」

「・・・い、いいとも!」




きれいに包装された箱。
包装紙を破かないように丁寧にテープをはがした。
はがしている途中手首あたりを突然ガシっとつかまれてびっくりした。



「・・・・んだよ・・・」


「いや、あの、えと・・・・」


まごまごと歯切れの悪い言葉に俺が軽く舌打ちをすると、ゆっくりと話しだす。



「・・ほんと一生懸命選んだから・・・えと、・うん、気に入らなくても、お、怒らないで・・よ・・・・?」

「・・・・・・バーカ。怒んねーよ。」



「う、うん。よ、よかった・・・」はそう言って手を放す。

はがし終わった包装紙を横に置いて箱に手をかける。
がぎゅっと眼を瞑った。




中から出てきたのは
シンプルな黒革の革紐がついている二つ折りの財布。





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おまっ!!!!!!!!!」

「え、あ、ごごごご・・・・・・・ごめん!!だださい!?あたしそーゆーのよくわかんなくて・・・・・・・」




あたふたするの頭をガシッと掴んで







「ひぃっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」













俺は思い切り歯を食いしばった。








狭い部屋にゴチーンと痛い音がする。
頭突きしたおでこは俺のものも熱く赤くなっていた。



「えぇ!?なんで頭突きーー!!?」


「痛いー」と10センチ先でが涙目になっていて


何にも言わずに唇をそっと重ねる。





3秒ぐらいして
ゆっくりと顔を離すと、
目をこれでもかと見開いて
耳まで真っ赤にしているがいた。






「マジもんのプレゼントじゃねーかくそ・・・・!」

「え、だからマジで選んだって言ってんじゃん!!!」

「あんなテンションだったからてっきりマトリョーシカかなんかかと思ったじゃねーか!!」

「ちょ!!そこまではしないって!か、かりにも恋人・・・ですから・・・・」

「照れてんじゃねーよアホ。」






あーもぉーチクショウ。





普通に

嬉しいじゃねーか。





普段男物の店なんて行かないくせに。

プレゼントなんて真剣に選ばないくせに。





これだからお前は
















「サンキュー。」









俺をこうも笑顔にさせるんだ。













ごちっと軽くおでこをぶつけるとの髪の匂いがした。







「いえいえ!こちらこそ、ありがとう!」












にっこりと笑うにもう一度触れるだけのキスをした後、
俺もポケットに忍ばせていたシンプルなクロスのネックレスを渡す。






こうやって毎年毎年とクリスマスを過ごしていったら

俺はどれだけを好きになっていくんだろう。


どんどんどんどんつのっていく気持ちは


はかりきれなくて


自分でも想像できなくて


それがどれだけ幸せなことなのか。




今の俺には検討もつかない。









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すいません。慌てて書いたんで意味わかんないっすよね。
私も正直わかりません。
っていうか阿部の誕生日軽くする―してすんません。
時間なかったの!課題が!!まだ全部は終わってないけどね!!←


ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!