帰りのHRも終わりに近づいている今。
窓ガラス越しの空はちっぽけなあたしを見下しているようで、
ちょっとムカついた。
「なーにみてんの?」
「ん?水谷。」
いつの間にかにHRも終わっていて、机のそばに来たのは野球部の水谷だった。
明るくて社交的というか・・・ちゃらいというか・・・・結構話しやすいし女子にも人気があるらしい。
よくわかんないけど。
嫌いじゃないし、むしろ好きなかんじ。でもよく知らないから、きっとたいして好きじゃないんだろうなと割り切ってる。
そんなかんじ。
「さっきから空みてるけどなんかあんの?」
そういって不思議そうに空を見る。
なまぬるい風がなんとも夏を感じさせた。
「あー・・・なんかさ、空みると自分が小さいなーって思って。」
「へー・・・・。なるほどね。」
「うん。なんか思わない?人ごみとか入ってもさ、あーなんかこれだけの人がこの小さな場所にいるってことは世界中にはもっともっと人がいるんだなって。なんか自分って小さいよね・・・」
本当によく思う。
沢山の人に毎日のようにすれ違っているのに、おんなじ人とすれ違うことってあんまりない。
それは自分の思っている以上に世の中に人があふれてるってことで、
そのなかで自分を知ってくれている人はどれぐらいいるんだろう?そう思ったら自分の小ささが身にしみた。
水谷からもう一度外に視線をやる。
「でも俺にとってって大きいけどなぁ・・・」
「はぁ?何それ、図体がってこと?」
「違う違う!そんなこと言ってないじゃん!!」
「顔が言ってるよ。」
「言ってません!存在がってこと。」
「・・・・・なんで?」
顔は動かさずに目だけを水谷にうつすときょとんとした顔をしていた。
「ん?俺、の事好きだから。」
にっこり笑っていった。
「俺の頭の中のぞいたらきっとだらけだよ。それって俺の世界をさ、がしめてるってことだよね。」
風が吹いてあたしと水谷の髪を揺らす。
いつのまにか顔ごと水谷の方に向いていた。
「俺がを見つけるよ。絶対。どんな沢山人があふれてる街中でも俺がをみつける。それじゃダメ?」
軽く首をかしげて水谷はあたしをみた。
クラスのみんなはおしゃべりしてたり、廊下を走ってたり、帰り支度をしていたり。
沢山人がいるはずなのに、
まるでこの教室には一瞬あたしと水谷しかいないんじゃないかと錯覚すらおこしてしまった。
「・・・・水谷のくせして、かっこいいこと言いやがって・・・。」
「うわ!ひどい!一世一代の告白なのに。」
「・・・・クソレフトめ。」
「え!?ちょ、それ何で知ってんの!?」
「阿部から聞いた。」
「もー勘弁してくれよ〜・・・ひどい。」
「・・・・・今日一緒に帰ってくれたら明日から文貴って呼ぶ関係になったろう。」
「マジで?部活終わったらめっちゃ急いで帰り支度する。」
「・・・スーパー急いでね。」
「うん!!!じゃーあとでね!!」
「!!!」そういって水谷は大きく手を振って教室を出て行った。
あたしはばくばくと大きな音を立てる心臓をどうにかして沈めようと必死に胸を押さえた。
ああ、コレがスキって事ね。
そう気づいた。
もう一度見上げた空はやっぱり大きかったけど、
一人ぼっちだとはもう思わない。
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初水谷君夢!!!なんというか・・・キザだな。うん。しかもキャラもなんかあやふやだし。
でも水谷君は栄口君に続き普通きゃらっぽいイメージがあります。
・・・・じゃーなぜきざ?(笑)なんかもう・・・すいまっせーん。勉強不足ですいまっせーん。
では、ここまでよんでくださって本当にありがとうございました!