なにもかもがうまくいかなくて






イライラして




シャープペンの芯すらも折れて












あたしの心も折れた。









「だから拝みに来た」

「・・・なにそれ・・・・」





栄口は苦笑した。






「だって栄口の顔見ると今日を頑張ろーって思える気がするんだよ」


「えーー」

「ありがたし栄口様!!!」

「拝んでもご利益ないから!恥ずかしいからやめて・・・・」





あたしの頭を軽く叩いて呆れた笑みを浮かべる。






そんな笑顔を見るだけで、
あたしはほっとするんだよ。




と、いいたくて






「あるよ!」



「へっ?」




思わず口にした強い声に、少しだけ彼の肩が強ばったのがわかった。









だけど


そこはゆずれない。











「少なくとも、あたしはさ・・・・・・えーっと・・・・・」








栄口が好きで



そんでもってそんなかでも笑顔が一番いちばん好きで





いつもその笑顔に助けられてて






励まされてる






だから










「つまり、は・・・・・・栄口、に、救われてるわけなんだよ・・・・・・!!」







いかん






自分で言ってて恥ずかしくなってきた



込み上げる羞恥心を抑えきれずに俯いた。





しずまれ


あたしの熱い頬


じゃなきゃ変に思われる



必死に昨日の晩ごはんはなんだったっけ、とか
どーでもいいことを考えて、


気を紛らわしせていたのに






「ぅへ!?」





ぽんっと優しく


暖かい掌があたしの頭に乗っかって





思考回路はプツンと切れて動かなくなった。









「大丈夫、ならできるよ」




じわじわと掌が乗ってるところから指先までゆっくりと熱くなっていくのがわかる。




心臓が
脈打つ音が
うるさいくらいだ。







「・・・・・・とか言って・・・・・」

「・・・・・・・・・っ」

「・・・・・元気出た?」






控えめな栄口の声に




小さくうなずいた。




「う・・・」

「ん?」




喉がカラカラに渇いてうまく話せない。

あたしは声を絞り出すようにして口を開いた。




「嬉しく、て・・・嬉しすぎて・・・・元気な時でも会いたくなっちゃいま、す・・・・・」







本音が

届かなくてもいい


ただ



もう我慢できなくて



ぎこちない言葉で
溢れでた。






栄口は黙ったままだったけど
あたしの頭に乗っていた手がゆっくりと降りてきて
髪を掻き分けて
遠慮がちにそっと頬へと触れる。


震えた指先に

びっくりしてバッと頭を上げると





みるみるうちに赤くなる栄口がいて




「・・・・・・・・・・・・・・ブッ!!!!!」







込み上げてくる笑いを押さえられなかった。



かわいいなぁと呟いたら

の方がかわいいよとあたしを見ないで言う栄口がまたかわいいなぁと更に笑えた。




















「俺もだよ・・・」

「あへ?」

「俺もの笑顔に元気付けられて、る・・・・」




















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私もですよーーー!!!彼の笑顔は世界を救うってね!!!
黒い彼も白い彼も青い彼も赤い彼も大好き!!!


ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!