ただいま気温33度。
体感温度10000度。
あたしと悠一郎は顎まで流れおちてくる汗を手の甲でぬぐう。
ぶっちゃけ
「公園デート・・・・しんどい・・・・」
「た、たしかに・・・・・」
二人して本音が出る。
ついさっきまで、さんさんと日が照る公園でふたりキャッチボールをしていた。(推定3時間弱)
公園といえばキャッチボール!悠一郎はもちろんだけど、あたしも野球は好きだし。
それに・・・・・野球をやってる悠一郎がすきだし。
「二人でいればあつくねーよ!!」なんて根拠もクソもない悠一郎の言葉にあたしも「だよね!」なんてわけのわからない返答をした。
普通に考えればさ、
熱くないわけないじゃんか!!!!
「ー・・・」
「んー?」
「アイス食べたい!」
「お、いいね!あたしも食べたい!!」
「じゃーコンビニ行こうぜ!!」
「うん!いこいこ!」
悠一郎の提案にあたしは大きくうなずいて近所のコンビにへと向かうことにした。
悠一郎は自然とあたしの左手を握る。
どんなに熱くったって、もちろん寒くったって手はつなぎたいらしい。
理由は・・・・なんかよく覚えてないけど彼のセオリーというやつだろう。
別にあたしも悪い気はしない。
二人、手をつないで、ついたのは公園から20メートルぐらい離れた場所にあるコンビニ。
ガラスの扉を開けた瞬間に全身に感じる冷機。あたしと悠一郎は目を細めた。
「やべー!超涼しい!!!」
「ホントだね!でも、早く出ないと!」
「は?なんで??涼しいじゃん!」
「うーん・・・そうなんだけど、汗かいてるから体冷えちゃう!」
「そっか!じゃー早くアイス選ぼうぜ!」
「うん。」
あたし達はアイスケースのガラスに手をついて顔を近づける。
どのアイスもおいしそうで「あたしを買って!」「僕を食べて!」といってるようにもみえる。
どうしよう・・・ひとつにしぼれない。
「うーー・・・」
「決まった?」
悠一郎を見てみるとガラスケースをスライドさせてガリガリ君のソーダ味を取っていた。
「うーん・・・すいかバーとシャビーのレモンで悩んでる・・・どっちにしよー・・・」
「・・・・・・。」
悠一郎はさっき自分が持っていたガリガリ君を元の場所に戻して、あたしが食べたいと思っていたすいかバーに手を伸ばす。
「悠一郎?」
「俺がすいかバー買えばどっちも食べれるじゃん!」
「・・・・・いいの?」
「別にいいよ!それに早く決めないと風邪引くじゃん!それは困る!!」
悠一郎はそれがさも当たり前のように言って笑った。
あたしも自然と口元が緩んで笑顔になった。
アイスが2つ食べられるからじゃなくて
悠一郎の笑顔につられたわけでもなくて
その優しさが嬉しかったから。
「うん!ありがとう!!」
悠一郎の後に続いてレジに並ぶ。
レジを通ったすいかバーとシャビーは白のビニール袋に入れられあたしの右手首にかけられる。
コンビにを出るときのドアはなんだか重たく感じてあたしは少し力む。
ドアがゆっくりと外とコンビにの境界線をくずしていく。ムァっとした熱気がなんともいえない気持ち悪さだ。
さっきのコンビにの涼しさに慣れてしまったせいで外は入る前より熱く感じた。
あたしと悠一郎はコンビニを出た後、悠一郎の家に行った。(今日は絶対したい!と悠一郎が馬鹿でかい声で言ったせいでしばらくあたしは不機嫌だったけど)
「!」
「ん?」
「そっちの一口頂戴!」
「はいよ。」
あたしは木べらのスプーンをシャビーにサクサクさして、できるだけ沢山乗せて悠一郎の口に運ぶ。
「ん・・・冷たい!」
「そりゃアイスだから。」
「も食べる?」
「食べる!」
すいかバーに顔を寄せて口をあけようとしたら、すいかバーはあたしのはるか上へとのぼって、悠一郎の口の中へ。
「・・・・・嫌がらせ?」
悠一郎はぶんぶん首をふった後、そのままあたしの肩を抱き寄せて口付けた。
悠一郎のあたたかい舌から渡される冷たいアイス。
アイスがあたしの口の中に無事わたると唇が離された。
「ゆ、ゆう!!」
「顔メッチャ赤いよ!!」
そういって無邪気に笑う悠一郎。
かわいいけど・・・・ってそうじゃなくて!!
「な、なんで・・・!!」
「だってアイス冷たすぎたからちょっとあっためたほうが良いかなって!」
「はぁー?」
「が風邪引いたら困るって言ったじゃん!俺!俺の口からなら冷たさも半減するんじゃないかなって思った!」
やっぱり田島悠一郎は天才だ。
彼はあたしをドキドキさせて、
夢中にさせる天才なんだ。
「・・・・・・・・ばか・・・・・・」
その後食べたシャビーのレモン味はあたしの顔の熱をおさえるかのようにキンキンに冷たかった。
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田島君は自然に優しさを振りまける子なんだろうな・・・なんて考えながら書きました。
最近はホントあついです・・・・熱に弱いせいで良い夢がかけないんだ!そう思いたい今日この頃です。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。