やだな、やだな。
なんで夏なんかくるんだ。
「はあ・・・・」
「?ため息なんてついて・・・なんかあったの?」
「・・・トランクスはいいよね。」
「はぁ?」
トランクスはレモンスカッシュの入ったグラスを机においてあたしをみた。
あたしは鞄に荷物を詰めながらまたため息をつく。
「なに?プール行きたくないの?やめる?」
「んー・・・プールは嫌いじゃないんだよ!?プール気持ちいし楽しいし・・・嫌いじゃないけど・・・」
「でも?」
「日焼けするじゃん・・・・」
「・・・・・・・・・・そんだけ?」
「そんだけってあんた!トランクスにはわかんないよ!この乙女の悩みが!!」
「・・・・・・・乙女・・・・。」
そこを疑問におもっちゃだめだよ、トランクス君。
あたしが一番疑問に思ってるんだから。
そう。
これからプールに行こう、とトランクスの自宅で話していた。
別にね、いやなわけじゃない。
でもこれ以上焼けたくない。
そりゃさ、ぶっちゃけ友達ととかだったら話は別ではじけちゃおーよぉー!レッツパラダイス!!
のりのりなわけですよ。
でもさ、一緒に行くのがトランクスですよ?あの!
時期社長であり、あのルックス。
これあたしがそばかすだらけの焼き栗小僧みたいな、そんなあたしがそばで歩いてたらもうね、
「・・・・・・・それこそ大乱闘なわけ・・・・。」
「・・・・・は?」
「とにかくトランクスにはわかんないよぉー・・・・」
「じゃー日焼け止めぬればいいじゃん。」
「ばっか!普段ならね!半そでだから自分でぬれるけど水着になったら背中とかどーすんのさ!!」
「俺がぬってあげるよ。」
「え!?いや、そーゆ話をして・・・・・って、え?」
「いや、だから俺がぬるって。それならプールいけるよね?」
「え、いや、でも・・・・」
「でも?」
「・・・・・・・・・。」
「?」
「・・・・・。」
トランクスに日焼け止めなんてぬられた日にはそこからとけるって。
ドキドキする。
手をつなぐことさえなれないのに。
きっとおかしくなる。
でも、そんなこと口にできないあたしは黙って俯く。
「・・・・・・・・・」
「ひゃ!!!」
気づくとトランクスはあたしの真後ろにいて、肩に顎をのせて後ろから抱きしめる形になっていた。
息が耳にかかるようにわざとだ。
トランクスはこうやっていつもあたしに意地悪する。
あたしが恥ずかしいってわかってるのに。
クスクスとかわいい笑い声が聞こえてくるのが証拠だ。
「プール行くのやめよっか。」
「ぇえ!?なななな、なんで!?」
「んー・・・・」
ちょっとの沈黙のあとトランクスの腕に少し力が入ってもっと体が密着する。
それにあわせてあたしの心臓もさっきより大きな音で鼓動を刻む。
「の背中に触ったら、きっとそれじゃおさまらなくなっちゃうから。」
「とととととととと・・・・・!!!!」
まだはやいよ!まだ早いって!あたしとあなたの間柄でそんなそんなことはぁあああアバババババババ・・・・・
全身が焼けるように熱くなるのが自分でもよくわかった。
あたしがあたふたあたふた落ち着かない様子でいるとしばらくして感じた背中の微少な振動。
「・・・クククククク・・・・ハハハハハハハハ!!!!」
「笑うな!ちょ・・・・くぅーー・・・・。」
「ごめんごめん。わかりやすい・・・・。」
「だって!びっくりするじゃん!そんなこと言われたら!!」
「ごめんごめん。まぁプールは又今度って事でいいじゃん。」
「う・・・ん。」
「つーか、まぁはじめっから思ってたけど・・・・」
「何?」
「プール入ったら、日焼け止めおちるしね。」
まったくその通りですね。
日焼け止めとは
プールにとって無意味なものなのだと
今日は勉強になったと思いました。
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なんだこのオチ。つーか誰だお前。
なんというか・・・いつだって現代トランクスは上手であって欲しいと思いました(願望)
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!