目の前には積みあがったお皿と

口の周りにデミグラスソースを沢山つけてハンバーグを口いっぱいに入れて

満足そうな廉。


もう、その姿を見るだけで満腹ですよ。


「・・・・・しっかし・・・よく食べるね、廉は・・・」

「!!!」


ほっぺたをパンパンにして大きくうなずく廉は高校生とは思えないほど幼くてかわいらしい。


「・・・んぐ。ちゃんは、あんまり、た、食べないよね!」

「・・・・・そーでもないけど・・・・」



君みたいに動かないからそんな気にせづ食べれませんけど(でも食べますけど)



「そーいえばさ、なんかあたし達いつもここで御飯食べてるよね。」


今思えば、付き合いだしてからいっつもこのレストランだ。
別に特別安いわけでもないし高いわけでもない、普通のファミレス。
でも、どこに行ってもなぜかここにたどり着く。
つーか廉についていくとここにたどりつく。


嫌なわけじゃないけど、たまには別のところでもたべたいなぁなんて思うのは
わがままなのだろうか。






紅茶の入ったグラスのストローをくるくる回すと少し溶けた氷がカランと音を立てた。


廉は視線をいったん下に向けた後、ぱっとあたしを見る。



「だ、だって!ここは・・・その・・・えと・・・・初めてちゃん・・と、あった、場所だから!」

「え?うそだぁ。学校で会ってたじゃん。」

「ち、違くてぇ・・・・」



いつもハの字の廉の眉毛がさらに急な角度のハの字になる。
耳も赤いし目はきょろきょろ方向が定まらない。



「ちがくて?なんだなんだ?言ってみなさいな。早く言わないとその卵スープにあたしの紅茶を混ぜ込むよ。」

「や!やめて!!」

「さぁ・・・早く言わないとこのストローの中に入った紅茶が・・・スープの中に・・・・」


あたしはストローの飲み口を親指の腹でおさえる。
少しストローの中にとどまった紅茶を少しずつスープの方に持っていくと廉があたふたと手をばたつかせる。


「ま、まって!まって!」

「うん。じゃーはやく言っちゃいなさい。」

「えっと・・・だ、だから・・・・」



廉の指は落ち着かない様子で動き続ける。



「あの、ね、じ、実は、入学してからすぐ、お、俺この店に来てて・・・・そ、それで、俺、ドリンクバーの場所、わ、わかんなくて・・・・そ、そしたら、ちゃんが、お、教えてくれた、んだよ!」





ドリンクバー?





・・・・・・・・あ。





「あーーーーー!!!!思い出した!!!」



そういえば、会ってる!入学してからすぐにここにと来てて・・・・・・


「会ってる!会ってるよ!そう!ドリンクバー探してたあの挙動不審のレンレンだ!!」

「う、うん!そ、その後、お、おんなじクラスに・・・・なって・・・・・あの、えと・・・・・・・・」

「付き合ったってわけか。」

「う、うん!」

「よく覚えてたね〜。」



感心したようにあたしがいうと廉はさっきよりももっともっと大きく頷いた。





「お、覚えてる!わ、忘れないよ!ちゃんとの、事は絶対忘れないよ!そ、それに、あの、あの初めて会ったときから・・・・・」





すきだった、から




小さい廉の声が聞こえてきて



あたしはこのレストランが大好きになった。






--------------------------------------------------------------------------------
レストラン・・・ファミレスもレストランですよね!?うん。頑張れ!無理やりのこじつけじゃ!!!
なんとなくレストラン→食べ物→三橋という連想が・・・(笑)
それにしても意地悪なヒロインですね!(お前が言うな!)

ここまで読んでくださってありがとうございました!