「隆也君、隆也君。」

「・・・・・・・やだ。」

「ちょ、まだ何も言ってない！！！」

「のその顔はなんかろくでもねーこと考えてるときだろ。やだ。」


そういって隆也はプイっとそっぽを向いた。
それでもあたしは負け時と「隆也君、隆也君。」と彼を呼ぶ。
しらじらしく。なんかうざい感じに。
とにかくしつこく呼び続ける。




わかってるから。





「・・・・・・・・・・・・。」

「隆也君。」

「・・・・・・・・・・・。」

「隆也君。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「隆也君。」








「・・・・・・・・・・・・あああ！！うっせぇーーなぁあ！！んだよ！！」






ほら。
こうやってなんだかんだであたしの方向いてくれるから。




不機嫌そうにしながらもこっちを向いてくれた隆也にあたしはまんべんの笑みであるものを差し出す。










「これ！！！！！！」








「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・黒ぶちメガネ？」





隆也が眉をひそめた。




「・・・・・・なんで？」

「かけて？」

「いや、だからなんで？」

「・・・・・似合うと思うから、かけろ？」

「命令形？っていうかなんでメガネなんてかけなきゃいけねーんだよ。俺目いいし。」

「関係ねーんだよ！！テメェーの視力なんてよ！！かけろっつってんだろ！！！」

「・・・・・・そんなに怒ることか。」

「あたしメガネフェチなのぉーーー！！！！」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は？」





そうです。
あたしはメガネが好きなんです。
とくに黒ぶちが大好物。
さらに言えば黒髪短髪の普段メガネをかけてない人がメガネをかけるとなおよし。



「お願い！！あたしを萌え萌えさせて！！！」

「きもちわりぃなぁ・・・やだ。」

「なっ！！彼女に気持ちわりぃって！！傷つくよ！！嘘だけど！！」

「嘘かよ。傷つけよ。」

「え、ごめん！だからかけってってばぁあーーー！！！」

「あーはいはい。」

「はいはいじゃなくて！！かけてってば！！」

「あとでな。」

「あとでじゃダメ！今！今すぐかけろ！かけて！！」

「メガネなんて花井とかがいつもかけてんだろ。」

「違うってば！隆也がかけることによってすごい爆発的な威力が発揮されるんだってば！！」

「あーはいはい。それは光栄のいたたりでーす。」

「だから！はいはいって！かけてよ！」

「ちょっと待てって。もうすぐ読み終わっから。」


そう言ってまた視線を雑誌に戻す隆也。
それでもあたしはひくことなく隆也の体をゆすり続ける。


「やだーやだー隆也ー！！隆也ーー！！」

「るせーなぁ・・・・わーったよ！！！」






そういって乱暴にあたしからメガネをとりあげてゆっくりと顔に近づける。





「これでいいんだろ、これで！！」







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」








「・・・黙んなよ。」

「だって・・・あ・・・うぁ・・・・・。」

「んだよ。」

「ち、近づかないでぇえー！！！」

「はぁ？」

「いや、なんていうか、うん。かっこよすぎる。」

「はっ！？」

「やばい・・・・はきそう。」

「え、それ喜びの表現？」

「もちろんですって！！！ちょ、隆也お願い！写メとらせて！とらせてお願い！！待ち受けにするから！お願い！！！」




「は、やだ・・・・・・あー・・・・いや、いいぜ？」






一瞬言葉に詰まるも、何かを思いついたような素振りを見せて隆也がにやりと笑う。
その瞬間に、何かやな、気持ち悪い空気。
ただならぬことを考えてるな、直感でわかる。



「・・・・・・・・・・・やっぱ、いいっす。心のフィルムに収めるっす。」

「遠慮すんなよほら。」



メガネをかけた隆也が不敵な笑みのまますっとあたしに近づいてきて
そっと手を取った。
指を絡めるように、
隆也の間接一つ一つに色気みたいな男の子らしさを感じる。
一気に頬が紅潮するのがわかった。




「いやいやいやいやいやいやいや・・・・その、ねぇ？」

「いいよ、お前の好きにして」

「・・・・・・・・・。」

「そのかわり」





でました、


『そのかわり』



見返り目的なんですね。








「な、なんでしょう・・・・」

「俺のお願いももちろん聞いてくれるよなぁ？」

「・・・場合によっては・・・。」



ううう・・・と目をそらして後づさりながらもうつむくと
隆也の手があたしの頬に触れる。
なでるように上から下へと動かされあごを軽く持ち上げられた。
必然的にぶつかる視線から逃れることはできない。









「な、なに・・・・・？」

「俺さー鳴き声フェチなんだよね。」


「・・・・・泣き声？」


サディストですか。




「違う。鳴き声。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」




サディストですね。




「まぁあれだ、いつもどおり俺の下でなけばいいだけの話だから。難しくねーだろ？」




いや、




何笑ってるんですか。










そのあとあたしは彼の要望に応えるはめになりました（拒否権なし）

私情後、まだ熱の残る布団の中で隆也がつぶやくように言った。



「これから俺だてメガネかけよーかな・・・・」

「はぁ！？な、なんで！！！」


嬉しいけど


「あー・・・・メガネかけたままセックスするとの体がいつもより「ああ、もう二度とかけないでいいです。」」








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メガネって萌えます。
勝手に萌えてろ。
なんかエロちっくでもうしわけないっす。


ここまで読んでくださって本当にありがとうございました！！！