もしも願いが叶うなら



どうかこの恋を





実らせてください。



















さらさらの髪をなびかせて、
真赤なスカーフの前で手をぎゅっと組んで
おっきな目をうるうるさせた女の子。





そんな少女の願いを



あたしは今、



胡坐でポテチを片手に見ていた。





すいません。






「さっむぅうううううううーーーーーー!!!!!!!!」








笑いとまんないっす。



「黙れこの野郎!!おまえマジ今から肩パンの刑に処す。内出血するまでやるからな。」




腹を抱えて笑うあたしの横で、健司がグーを握りしめてあたしを睨んだ。





「落ち着いて!落ち着いて!彼女!仮にも彼女!!」

「じゃーあれだ、野外プレイの刑に処す。」

「そんなことしたら健司が豚箱行きのほんとの刑に処されますけど。」

「うるせぇえ!!!黙れ!!死ね!!!」

「死んだら黙るわ。つか健司・・・ほんとにこれ見たかったの?」




テレビを指さして彼を見ればこくんと頷いた。


「うん。」

「・・・・うん、ってかわいーなおい。」

「知ってる。」

「・・・・・うぜぇ・・・・・」






部活がめずらしく休みの今日は恋人同士どこかでかける、というわけもなく、
まったりと健司の部屋でレンタルDVDを見ていた。
いつもなら二人で借りに行くのだが「今回はもう俺がばっちりチョイスしてるからお前はまっすぐ俺の家にこい。」
という偉そうな連絡があったのでその通りにまっすぐ向かった(コンビニは寄ったけど)



あれ?迎えきてくれないの?

とかちょっと思ったけどね!!!別にいいけどね!!!






なんていうさりげない愚痴をひそかに漏らしながらインターフォンを鳴らすと、健司がスウェット姿で出迎えてくれる。



ああ、家から出る気ないんですね。わかります。





そんなこんなで健司の部屋でDVD鑑賞会が始まった。









「健司にしては珍しいねぇー恋愛ものなんてさー」

ジュースを一口飲んで口をうるおす。


「いやぁーこれ結構エロいシーン多いんだよ。も、なんの疑いも無しに見始められるだろうと思って。」

「口を滑らせやがったなスケベ王子。死ね。テメェーが死ね。」

「じゃあ普通に俺のお気に入りAVチョイスにする?」

「他にビデオやらDVDは持ってないんですか。」

「持ってるわけねぇーだろ。俺は健全な高校男児だぞ。」

「全国の健全な高校生男児に謝って。土下座して謝ってぇえええぇえええええーーーーーーー!!!!」

「馬鹿野郎!思春期の男なんてスケベなこと以外なんも考えてねーんだよ!!!」





いや、あたしのほうが馬鹿よばわりですか。




馬鹿はどっちだばかやろぉおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!














その時にはもう
健司はあたしに馬乗りになって

とりかえしのつかないことになっていた。


























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雑なんじゃない、
シンプルなんだ
と、言い張る。


すいません


ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!